2歳の男児。 虫刺されを掻きむしって腕がはれた。2日前、皮膚科に行ったら、軟膏ぬって包帯まいてくれたけど、はれが酷くなって、熱も出た。と受診。
右の腕が、左の1.5倍くらいに、赤くはれて、熱をもち、さわったら硬くなってます。
皮膚科では、抗生剤内服を処方されましたか?いいえ、塗り薬だけです。
蜂窩織炎です。
血液検査では、白血球数とCRPが上昇。そんなにひどくなかったので、ちょっと安心。抗生物質の点滴をして、抗生剤の内服も処方。痒みを抑える二つのコツ「空気と遮断」「冷やす」も伝えました。
2日後、経過を見せにきてくれました。熱は下がり、右腕の赤みはまだ残ってたけど、はれがひいて、柔らかくなり、左の腕の太さと同じになってました。
蜂窩織炎は、皮膚とその下の組織に感染が広がった状態です。 皮膚の切り傷や擦り傷、虫刺されなどの小さな傷から、ばい菌が入って、起こります。
虫刺されで、ちょっと赤く腫れただけなら、軟膏塗るだけで治ります。 蜂窩織炎のように、皮膚の下に感染が広がると、自然に治らないので、抗菌剤による治療が必要です。
【蜂窩織炎】
<症状>
赤み:感染した部位が赤くなる
はれ:感染した部位が腫れて膨らみ触ると硬い
熱感:感染した部位を触ると他より温かい
痛み:感染した部位に痛みがある
発熱や悪寒:全身症状として発熱や寒気が出る
<診断>
診察:患部の見た目と触った感じ、経過で判断
血液検査:白血球数やCRP
排膿の培養:ひどくなると中に膿を持ちます
<治療>
抗生物質:原因となる細菌に応じて、抗菌剤を使用
塗り薬:軽度の場合は、軟膏処方
休息と患部の挙上:足を高くして静かにする
外科手術:膿が溜まった場合は、膿を排出するための切開やドレナージ
虫刺されや、傷の部位が、赤く腫れて硬くなってきたら、要注意。
自己判断せずに、受診して、適切な治療を受けましょう。